全日本選手権行 その2

よく寝た次の朝は5時に目覚めた。
窓を開けると少し曇り空だが徐々に晴れていきそうな雰囲気である。
6時には宿を出るので準備に掛かり、昨日スーパーで買っておいた、空揚げ弁当を食べる。
昨夜、風呂場で洗って干していたジャージやタンクトップも乾いている。ヨシヨシ。
では荷物をまとめて出発するぞ!



暑くなる前に飛行場までのダラ坂を上がっておかなくてはならぬ。
昨日の疲れもあるので慌てずノンビリ上がる事にした。
坂の始まりまでは静かな道、練習なのか二人連れが追い越してゆく。
着いてゆこうとしたけど数分後をつけて止めました。しんどい・・・。
さて7-11の交差点を左折すると39-25に放り込んでジワジワ走行を開始。
後はヂッと我慢の子でありました。
会場につくと女子レース関係者が結構集まっていた。
知っている人に挨拶をして、いつもの場所にバイクを止めて休憩・・・。
ああ、やっと着いたな。距離を見ると210kmだったか(忘れた)。
距離的には今回は大した事は無かったと思うけど久し振りの森林公園、いいですね。



■白マッサ号、ご苦労様。



■レース前には優勝間違い無いと思っていた麻衣子嬢。
三浦監督もまさかの敗退・・・。



■マビックカーの上を撮影。素晴らしいホイルを準備しているが代車は時代物。



さてウロウロしているうちに女子レース開始。
詳しい内容は各種ネットにアップされているので省かせて頂きます。
自分は萩原麻衣子の鉄板レースだろうと思っていたのだが彼女がレース途中で止まって
しまったと聞いて驚いた。足が攣ったというではないか・・・。
闘病中の宇田由香の盟友だから優勝して病気に立ち向かっている彼女に優勝を捧げる
位の事をやって欲しかったのだが実に残念であった。
レース終了後に声を掛けようかと傍へ行ったが泣きはらした顔を見てやめた。
三浦監督にも叱られてガックリしているだろう。



■麻衣子嬢、頑張ってたんだけど。



レース最後の直線では豊岡あやや姫がダンシングでエイホエイホと集団を引いていて
「うーん、何をしているのだ」と心配になった。
大声で声援を送ったけど向かい風の中で皆を引き連れているだけですがな。
これではフィニッシュライン前でズバズバ抜かれるだろうと思っていたら案の定だった。
しかし彼女も春先の大怪我の後は体調が非常に悪く悩んでいたみたいだが元に戻った
のは間違いない。
ゴール後暫くしてローラを回している彼女に「負けたけど調子が戻って良かったね」と
声を掛けたら本人もセヤナァという顔で納得の様子だった。



さーて、いよいよ本レースが開始されるぞ。
チームマッサの処へ行って皆さんを励ますが何処までいけるか・・・。
津末君が有望、伊勢君も頑張るだろう、伊藤君はどうか。
やはり新城君が首位に入るのは間違いが無いだろう。梅丹はどう動くのか。
レース前に簡単に岡崎君の引退セレモニーが有った。もうこれで最後、感慨深いな。
そして長丁場のレースはスタートした。


■岡崎君引退セレモニー




前半・中盤は無責任な傍観者的には正直退屈なものだった。
頑張って逃げた菊池選手@梅丹は素晴らしかったけどあまりの灼熱に集団は
ゆっくり走行になって見るべき箇所は少なくて暇潰しにウロウロしてました。
もー灼熱の太陽、これはシンドイなぁ。
自分もバイクを止めた木の木陰に逃げ込んで休んでました。
集団が来る時だけレース脇に行って写真を撮ってタイムをメモして又日陰へ。



■健吾メカの手際は素晴らしい。この人も歴戦の勇者だ。



■砂田さんが行く。間違いなく歴戦の勇者。




しかし津末君が12時頃に戻ってきたのでどうしたのか様子を見に行ったら
もらい事故で落車して右足脛を強打したらしく痛そうだった。
これはさぞかし無念だったろう。
他のメンバーも問題が無いか気になる。


■懸命に逃げる菊池&畑中である。




待っている間に三船さんのカイヨを借りてその辺りを走ってみた。
中々いい感じのバイクであった。
ゾンダをはいていたのも有るだろうけど案外堅かった。
これは長時間走ると疲れるだろうなー。自分にとってはホイルとタイヤが決め手か。
三船さんならではの堅さとも言える。
しかし三船さんが組むバイクは仕上げがどれも素晴らしい。
上級なバイクという感じで組み上げる人のセンスの良さが伺える。



■苦しい時間帯やね、頑張れー!



レースがようやく動いたのは12周目、逃げていた菊池選手と畑中選手とプロトン
の差が急に詰まってきた。アイサンが牽きだしたのだ。
此処からやっとレースが面白くなってきたのでコース脇に戻る。
この後は皆様ご存知の通りである。
伊勢君・伊藤君も頑張っていて頼もしく思った。
レース自体は炎天の影響か過酷な我慢比べタイムが短い様だと思った。
岡崎君、途中でレースを降りてしまった。
もう引退と決めた後は中々集中して力を振り絞り完走或いは成績を出すのは
難しいものだ。これが出来る人は限られていると思う。
最後をきっちり飾れるのは本当の力が有る証拠:三船さんみたいに。



終盤になり伊藤君が遅れだしたが伊勢君は頑張って何とかなりそうな感じ。
新城君のアタックには放送を聞いている限りはワクワクしたけど決定的だは
無かったようだ。これを契機にセレクションが進みレースらしくなってきた。
そして最後は西谷君、感動の優勝!!
いやー、シマノが優勝だったら面白くない処だったけど無冠の帝王的な選手が
勝てたのは良かった。西谷君もゴール直後はワッと泣いたようだ。
自分も勝つべき人が勝てて嬉しかった。
レース会場、いいムードだったですねぇ。


■西谷君おめでとう!!宮沢君、おかえりー!!




表彰式で坂本さんと話しをすると車には余裕が有るそうなので同乗をお願い
すると快諾して貰えて有り難かったです。
本来は本郷からJRで輪行の予定だったけどAU駅スパートでチェックすると
事故か何かで遅れている様子、これはヤバいところだったが大変助かった。
有難うございました!
同乗された島田さんは梅丹ファンクラブ西日本の中心人物で話題も知識も
豊富な魅力的な方でした。流石ですね。



■■さて、最後に広島のコースの事について■■


毎回そうなんだがレースが終った後、いつも皆の顔がすすけている。
顔だけではなく手足も随分と汚れている。
何がこんなに体を汚しているのかずっと不思議だった。
又、雨が降ると毎回の如くのパンク続出。
これは何が原因なのか。コース脇の土砂がコースに出ているとも思えぬ。
帰りの車中で坂本さんが「舗装にスラグを使っているのでは」と言ったので
それかー!!と判明。


推測だがコースの道路舗装、砂の代わりに溶解スラグを使っているのだ。
恐らく間違いあるまい。
溶解スラグとは色々な廃棄物や下水滓を1300度程度の高温で焼いて
燃え滓を再利用するもので一応JISでも基準が有る。
セメントに混ぜたりアスファルトに混ぜたりするものである。
焼け滓というか溶けてガラス状になったもの。
三船さんがパンクしたタイヤから摘出した物体の形が変だったのも
頷ける。



これが路面から出てきて選手の体を汚したりパンクの原因になっている
と思われる。或いは溶解スラグの混合比率が高いのかも知れない。
普通で考えると焦げ滓なんで、これを吸い込むと体に悪いのは間違い無い。
年に数回の事なので大きな問題にはならないだろうけど健康面では問題が
有りそうだ。
三船さんがレース時に手足にスパッツを装着して走っていたのは正解だった。
何か読みが深いなー、感心する。



この道路の成分、かなり気になります。
健康の事を考えると此処はレース会場としては相応しくないと思った。
この件をどう扱うのかで色々なものが変わり影響も出るので深慮が必要
かも知れない。