涼しきカナ夜の北陸への街道

今回、仕事で福井県原発廻りをしました。
時節柄、冬らしさを何度も体験し今、暖かい部屋でタイピングしている幸せを感じてます。
今回の福井行、2回に分けてアップしますね。m(_ _)m



スポットの仕事で福井の原発廻りの作業依頼が来たのが先々週末。
当初は14日(月)15日(火)か、それぞれ1日遅れの回答を返していた。
それが「頼むよー」(依頼主:東京人)と17日と18日に。
これも直前で微妙に変更された。
で、17日:大飯原発→高浜原発、18日:敦賀事務所→美浜原発へとなった。
まぁしょうがない。
輪行で行こうが自走しようが原発って人里離れた場所ばかり、半島の先っちょとか島とか。
勿論、交通の便は無いしタクシーなんぞ利用出来る予算も無い。
頼れるのは矢張り自転車である。



16日(水)は三船商会の夜店、此処を開始地点として先ずは行く。
行ったら珍しく近ちゃんが居たので色々と会話をして時間を過ごした。
三船さんに今回のルートについてガイドを頼んだが回答が。
当初、周山街道から大飯原発に行こうと考えていたが、夜の周山街道は危険であると。
そのルートは止めた方が身の為だと赤井さんにも説得され変更する事にした。
8号線で行こうかと思ったけど8号線もトラック多いので横大路から簡単に入れるルートと
して161号線:湖西ルート〜敦賀へ行って敦賀から大飯まで輪行する方法を採用。
よしルートが決まると進むだけぢゃ。(^_^)



夜の161号線、序盤から風が吹き出してきた。
この時は「おお冬の風は強いなー」などと考えていたけど今から思えば全然ですわ。
ま、主に横風が多かったけど正面からゴンゴン吹き付けていた訳では無いので良かった。
ペダルをしっかり回せば寒いけど体は温まる。
途中で止まったら数分で凍えてくるけど走り出すと10分でホカホカなんで走るしかない。
真っ暗だし自分の現在地も実感が湧かなくて写真も撮れず仕舞い。
それがかえってペース維持に役立ったかも。



どんどんと距離を伸ばして何となく坂になってきたなぁと思いきや、此処は追坂峠では。
うむ、良いペースだわい。
横大路から敦賀まで100km程なので追い込めてきたなぁと或る意味安心していた。
と・・・、シャっと何か足元に。
おお、これは融雪用の放水か。ふーん、こんなんやってるんかいな。
この時は未だ実態を知らなかったんです。


追坂峠は短い。
でも融水シャワーは段々と増えてきたぞ。
あれ、えらい濡れてきた。シューズカバーがもう無効やがな。これはまずいかも。
でも峠の向こうに行けば高度が下がるので融水シャワー減るのでは。
しかし甘かった。
もう追坂峠の下りから断然と増えてきた融雪シャワー、徐々にシャワーなんてものでは
無くなってホースでモロにジャーっと撒いている。
普通の水撒きの規模と強さをアップした感じ、もう全身ドボ濡れになった。
この寒いのに何するんやー!\('o")



西浅井へ抜ける303号線の分岐辺りにJOMOが有る。無人っぽい?
此処で一旦停止。
明るい中で見る融雪シャワーは盛大なもんで強力スプリンクラーですな。
もう道全体が川である。ジャージャー流れていて豪雨時みたい。
持参していたゴアテックスの登山用オーバーズボン(というか合羽)を履く。
上はウィンドブレーカーのまま。上がりになると又暖かくなるやろうとタカ喰ってた。
そして再スタートを切る。
道は国境越え(くにざかいごえ)に差し掛かり徐々に上がりが辛くなる。
下半身に合羽を履いたのは大正解、もう融雪シャワーは路面ではなく真横にジャーッ!
自転車洗えていいかも知れんが人間は辛い。
登山用のゴツい生地なので足は無茶苦茶重いし水の勢いがいいので当てられると思わず
フラフラする。連続的にジャージャーと酷いもんだ。
背中の荷物は重い・・・。今回パソコンは持参しなかったけど正解だった。
幾らシンクパッドでも進んで水を掛けたくは無いぞ。



結構ヘロヘロになりつつ国境スキー場分岐を過ぎてからやっと峠。
荷物が無くて昼間で普通の状況だったら快適なアップだったろうに・・・。
はやけに明るく照明してあったので見てビックリ、真っ白で樹氷まで出来ている。
こりゃ寒い訳だわい、上がりなんで濡れていても判らんかった。
そして此処から下り、マキノを過ぎてから俄然増えてきたトラック群も後方から
バンバン攻めてくるし結構ストレスである。
下りも相変わらず川である。
何をこんなに無茶苦茶に放水するんやー、止めてケレーと思いつつ下る。
タイヤがデュロ25c:空気圧6kgで本当に良かった。



いい加減下ってよく道を見ると融雪シャワーが徐々に無い。
いや違う、凍っているがな!(>_<)
うわー、超ヤバいぞ・・・!
幸いにガンガン走っているトラックのタイヤ跡は凍っていないので丁寧になぞる。
もう積雪も最初はシャーベット状だったのが固まってきている。
時間は4時頃、早く下に下って敦賀の町に入らないと完全なる凍結路になってしまうぞ。
そなると自転車なんぞ何の役にもたたぬわ。
結構緊張していたので濡れて凍えるのを忘れていた。
やがて8号線との合流地点:疋田の交差点まで降りてきて、そこのローソンに入った。
眠くて寒気がしてきたけど此処には留まれないのでココアをぐっと飲んで直ぐ出て
JR敦賀駅を目指す。もう少し。


完全に積雪状態の敦賀市内を走る。
流石に緊張は緩んで寒さが募ってきたぞ、ウワー寒ッ。
ペース無茶ダウン、我慢我慢と思いつつようやく駅に到着、有り難い事に駅は開いていて
待合室は暖房が入っていた。


■お待ちかねの写真ですが・・・待合室の冴えぬ風景です。


■店を広げて少しでも乾かす。


この部屋が有ったから助かった!無かったら厳しいですね。(無いならソレで何とかしていた?)
此処から目的地の最寄り駅である若狭本郷までは踏んで行くと70km程だが輪行で。
始発まで結構時間が有ったのでせいぜい乾かして温まっておいた。
そして始発の6時35分発の舞鶴行きに乗ろうとすると駅員の親父が嫌がらせを。
何時もやっているゴミ袋輪行にイチャモンを付けてきたのだ。
「こんなのは駄目です。ちゃんとした袋に入れないと電車には乗せない。」とホザきおる。
押し問答してもしょうがないし電車は出そうなんで何時もは袋に入れていない前半分もカバー。
これでええやろ!と言っても未だ文句を言う。
拝み倒して半分強引に改札を通過して電車に乗った。

メガネを掛けた少し背の高い四角い顔のオヤジ駅員に要注意!!



さて電車の中は取り立てて何も無く半分震えながら寝ていた。
しかしー敦賀を出て少し行くと晴天!
1時間強掛かって着いた若狭本郷も晴天!だった。アレー、どういう事や。
駅に着くとショッキングだったのは・・・。
関電の大飯原発で働く人用の送迎バスが2台も3台も出ていた事。
そうか、よく考えたら当たり前やな。
若狭本郷に着いたのは8時前、駅はガラガラで待合室は敦賀駅より暖かいので助かった〜。
作業開始は11時と遅いので待ち時間を利用して生乾きの衣類をセッセと乾かす。
その後で駅の近所にあるミニストップへ移動した。


■晴天、云う事なし!


■以前、作業に来たミニストップで朝飯を喰ったのだ。


飯を喰って少ししてから移動開始。風は相変わらずソレナリに吹いていて風に向かって
走るのは結構しんどい。


■大飯(おおい)の町から半島である大島町へのルートです。


大飯原発・駐車場からの風景(一部)


今回判ったが、原子力発電所という大きなプロジェクトに参画している会社は相当多い、
という事である。もう数ダースもの会社が喰らい付いている。
今回仕事を貰ったのもそういう会社の一つであった。
兎も角、作業は開始されたが手順書に書かれていない事が沢山出てきて何度も途方に
くれた。だが色々と新しい情報を得て作業は終了した。フーッ。
次は更に西の半島の先に有る高浜原発です。では移動開始。



■中々風光明媚である。風は強く気温は寒い。


■そして突如、こんな風景が。


■確かに景色は良い。


2回目作業なのでスムーズにこなして比較的短時間で作業は完了した。
さってこの後は敦賀に戻ってビジネスホテルに泊まるのである。
此処から距離にして80km程度だが東向けだと相当な追い風に乗ってなので楽に行ける。
そろそろ暗くなりかけてきた空を見上げながら敦賀まで頑張って踏んでいた。
敦賀のビジネスホテルでやっと暖かい風呂に辿り着けた時、嬉しかったなぁ。
充分に体を休めたかったので喰う物食べて風呂に入ったらサッサと寝ました。
さて明日はどうなる事やら・・・・。(^_^;)