オランダ追想

今日は良い天気なのだが訳ありで出掛けられない・・・残念。
そこで昔の思い出だが・・・オランダへ行った思い出を書いてみます。
昔の事なので写真無くて恐縮です。




当時、大手薬小売業の顧客が有った。
メインサポートは富士通だったが多種多様なサポートも必要だったので自分が居た販社もよく
出入りしていた。
当時は珍しいUNIXメインフレームを使ったシステムが開発され端末或いはインターフェース
としてはパソコンが必要だったが会社の中で一番パソコンに長じていた自分が何代目かの担当
となる。お蔭様で顧客では社長から担当者まで声が掛かってかなり忙しかった。



その会社の関係会社で旅行社があり、研修旅行としてオランダへ行くという。
上司から我が社の担当はお前だからお前行って来い、現地でネットワーク関係の作業も有る
のでそのつもりで・・・ということで自分に白羽の矢が立った訳である。
現地でネットワーク関連の作業とは・・・?まぁいいか。いい機会だから有り難く受けさせ
て頂く事に。パスポート取ったり嬉しい準備の日を送りその日が来る。
(その他準備等の状況は省略させて頂きます。)



兎に角だ、30人程の業者の人達と一緒にスキポール空港に降り立った。
そして宿は基本的にアムステルダムという事でバスで移動してホテルに入った。
こちらでは出席しなくてはいけない研修会以外は自由時間である。
で、初日は皆さんと一緒に市内のレストラン行ったり社会見学。
2日目に研修会が有った。例の「ネットワーク作業」である。
何かな?


社長曰く
「和田君、僕のパソコンをインターネット経由でうちの会社のサーバーに接続してくれよ。
 データベースに接続すれば日々の全店舗の販売トレンドが即座に出せる筈なんでね。
 それを明日の研修会で皆に見せるからヨロシク!」
え“−、いきなりソレですかい!
なるほど、オランダ旅行と聞けばうちの会社の誰もが行きたがる筈なのに遠慮した訳が
判った。
数時間掛けて色々調べ、研修会が実施されるホテルの回線関係を拙い英語で聞きだし、
やっとの思いでインターネットに接続、更に東大阪市に有る顧客のメインフレームに接続
・・・。あー、やっと接続出来た・・・。
明くる日の研修会では当時としては日本でやっても中々素晴らしい内容を海を跨いで
オランダで実施したという事で社長も鼻高々だったみたい、自分はホっと安堵した。



さて次の日からは3日間の自由期間。
社長と社長の友人が「ゴッホ博物館へ行くから一緒に行こう。」と云う。
なるほど、ご一緒させて頂きます!


ヨーロッパのタクシーは日本と違って助手席が最善席なんですね。
知らんかった。
同行のお二人さんは後席が安心らしく
「和田君、前に座れよ。」なんだか自分の役割が判ってきたぞ・・・。
メルセデスのタクシーなんて滅多に無いぞと、拙い英語で運ちゃんと楽しく会話をしたのを
覚えている。
そして着いたゴッホ博物館、素晴らしかった。
例えば写実絵画を例にとってみよう。
美術の本とかで見るヨーロッパの写実絵画は精緻では有るがそれが何か良いのか判らん
かったが実物を目の前にすると・・・凄い!3Dや!この時代に3Dか!
万事、そういう状態で本物を目の前で見る迫力と言うか迫真の美というのには参りました。
流石です。
3人とも充分に堪能し適当に喫茶して楽しい会話をしてホテルに帰った。



次の日からは自分には計画が有った。
この頃は既に結婚しており嫁様の勧めで創価学会に入っていた。
では折角なのでオランダSGI(創価学会インターナショナル)へ行ってみようと予定
していた。で、どうやって?勿論自転車で。
というかアムステルダム駅で自転車を借りて行ってみようと。
その場所はユトレヒトの東隣の町のクラーケリング通り沿いに有るという。
先ず次の日は地元の地理を学ぶ必要が有るぞと電車に乗ったり自転車を借りたりする。
オランダの駅レンタルサイクルは・・・でかい。しかもコースターブレエーキや。
普通サイズで一番サドルを下げてやっと自分の股下である。流石やね・・・。
そして戸惑ったのが右側通行&自転車専用道路。判らんわー。
それでも半日以上、地図を眺めつつアムステルダム周辺を走り回って何となく掴めてきた。
独特な自転車専用道路の走り方も少しづつ判ってきて面白い。
流石に地元民は自転車に馴れており速い!こんな連中に遅れをとってはイカン!と走って
いたら・・・目を丸くされた。



だが市外へ出る道が判らない。
高速道路なら地図にも載っているが自転車で走行可能な道が地図に無かったのだ。
こりゃ間違った地図を買ってしまったな。
目的地まで50〜60km程なのでそう苦労せずに往復出来るかと思ったが甘くはなかった。
夕方には自転車で現地へ行くのは諦め電車を利用する事に。



次の日はホテルで出るビュフェ(朝飯)のパンやベーコンその他を余分に確保し昼飯用と
する。そしてアムステルダム駅まで歩き数km。
その後は電車にてアムステルダムユトレヒト〜デンドルテルへ。
駅からは・・・又もや歩き数kmである。
辺りは背の高い森である。日本の雑木林的森とは随分と趣が違う。
アスファルト道をどんどん歩くが行程短縮出来そうな辺りは森を通っていく。
森の中は木の葉が沢山落ちていて、その下は泥である。
歩いていると靴底に泥がついて葉っぱがくっついて足は葉っぱの塊に。
先を急ぐのでそういう状態で走るが、うむ、クロスカントリーやなーと楽しくなる。
途中で行き先不案内になり地元の人に聞くとオランダSGIの事、というよりか
創価学会の事をよく知っていてヤケに誉める。
おお、地元では完全に受け入れられているなー、素晴らしいや。



やがてオランダSGIに到着、管理者は枚方出身の方が居て暫し楽しく話をした。
1時間程してその場を辞して帰るとする。
で・・・歩き出すと電車の時間に間に合わない!これはヤバい!と走り出した。
森を抜けてアスファルトへ出ると上手い事に駅へ向かうバスを発見。乗り込む。
バスに乗るとハァハァしている自分を見て他の乗客が気の毒がって席を譲ってくれた。
そして自分の様子をバスの乗客全員がジっと見ている。
再び拙い英語と身振り手振りでお礼を言って笑顔を見せると皆さんも安心したのか
笑顔を返してくれた。
無事に本数が少ない電車に乗りアムステルダムまで戻る。
既に夜になったアムステルダムの街を早足でホテルまで無事に帰った。



そして次の日に帰国した。
もっと滞在したかったオランダ、未だ少ししか見聞出来なかったのが残念。
機会有れば再び行きたい。
そして隣国であるベルギーも絶対に行きたい。
その期間は勿論、春のクラシックが開催されている4月である。
RVV、パリルーベ、アムステルゴールド、ワロニュ、LBL、全部見たいしLBLは
実際のコースを走りたいものだ。